SNS利用に対する社内ルールは必要か
企業規模や業界によってルール整備の状況に格差
SNSは誰でも低コストで簡単に情報発信ができるソーシャルメディアです。
しかし、従業員が私的に運営するSNSが炎上して、企業に大きな損害が生じるケースが増えています。
そこでSNSの利用と企業における社内ルールの整備状況の調査から対策の必要性を考えます。
利用率はLINEが最多
総務省は「平成27年版情報通信白書」で、ソーシャルメディアを
「インターネットを利用して誰でも手軽に情報を発信し、相互のやりとりができる双方向のメディア」と定義しています。
SNSはその中でもユーザー間のコミュニケーションやつながりの形成に特化したサービスで、
「LINE」や 「Instagram」、「X (旧Twitter)」、「Facebook」などが挙げられます。
「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(総務省、 2025年6月公表)によると、
2024年度の主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率(全年代)は「LINE」が91.1%で最多。
その他は「Instagram」が52.6%、「X」が43.3%、「Facebook」 が26.8%でした。
動画共有系においては「YouTube」が80.8%、「TikTok」が33.2%となっています。
また、 「ソーシャルメディアを見る・書く」平均時間については全年代の平日が34.7分、休日が40.0分。
年代別で見ると、いずれも20代が最も長く利用しています(平日67.0分〈10代と同率〉、休日 88.6分)。
「動画投稿・共有サービス を見る」 平均時間は全年代平日が50.8分、休日が70.4分でした。
ルールがある企業は約2割
SNSの私的利用については、従業員による企業の機密情報の漏洩や
不適切な動画投稿 (バイトテロ)がたびたび問題となっています。
しかし、 帝国データバンクの「SNS投稿に関する社内ルールの整備状況アンケート」(5月公表)によると、
SNSにおいて企業の社会的信用を毀損する恐れのある発信を制限する社内ルールがある企業は23.2%。
一方、「ルールはないが、検討中」が36.8%、
「ルールを設ける予定はない」が32.0%と、7割近くの企業がルール未整備です(図表参照)。
その理由は「個人の倫理観と常識的判断」や「形骸化への懸念」などが挙げられています。
規模別で見ると「大企業」では半数が「ルールがある」と答えているのに対し、「小規模企業」では1割を下回る結果に。
業界別では一般消費者との接点が多い「サービス」が最多で、企業規模や業界によって対応に格差があるようです。
調査では、「炎上が売り上げや採用などに致命的な打撃を与える現代において、従業員のプライバシーを尊重しつつも、
組織を守るための『防衛策』としてのルール整備が、企業規模を問わず喫緊の課題となっている」と述べています。
