コラム

今月の相談
法定休日を特定していない場合の休日出勤の扱い



Q 当社は、1日の所定労働時間が7時間30分で、
法定休日は特定せずに土曜日及び日曜日を休日とする週休2日制です。
土曜日に休んで日曜日に3時間程度出勤させた場合は3割5分増賃金を支払い、
1日出勤した場合は代休を与えることで問題ないでしょうか。

A 労働基準法では、「毎週1回以上、または4週間を通じて4日以上」の
休日を与えなければならないと定められています(第35条)。
これを一般に「法定休日」と言います。

ここでいう「毎週」とは、労働契約や就業規則に特別に定めがなければ、
日曜から土曜までの暦週を指します(昭63.1.1基発1婦発1)。
N社は所定休日を土曜日、日曜日とする週休2日制を採用しており、
そのうちどちらの休日を法定休日とするかは定めていないことになります。

労働基準法では、就業規則や労働契約書において法定休日を特定することまでは
求められていませんので、それ自体違法となるものではありません。

なお、法定休日を特定していない場合で1週間の各曜日のすべてに勤務した場合に、
土曜日、日曜日どちらの休日に対して法定休日としての割増賃金(3割5分以上)を支払うべきかが問題となります。
この点に関して、行政解釈によれば「法定休日を特定していない場合で、
休日の両方に勤務した場合、暦週においては後順に位置する休日が法定休日労働となる」
(平成20年改正労働基準法に係る質疑応答〈平21.10.5 厚労省事務連絡〉)としています。

したがって、土曜日、日曜日の完全週休2日制で、図表の1のように就業規則等で週の起算日を日曜としている場合で、
日曜日及び土曜日のいずれも出勤させたと すると後順となる土曜日が法定休日となります。
他方、2のように週の起算を月曜としている場合は、後順となる日曜日が法定休日となります。

N社は就業規則に特段の定めがなく、その場合は1となり、
日曜日、土曜日のいずれも勤務させた場合には土曜勤務分については
その時間に応じて法定休日出勤の割増率(3割5分以上) を支払わなければなりません。



また、1のケースで法定休日を特定しておらず、土曜日または日曜日のいずれかのみに出勤させ、
土曜日または日曜日のいずれか1日の休日に休ませる場合は、
法定休日は確保していることになるので当該休日出勤については3割5分以上の割増賃金を支払う必要はありません。


この点について判例では、
「週休とされていた土曜日及び日曜日のいずれか一方に法定休日が特定されていたとは判断できないような場合、
2日の休日は全く同じ法的性質を持つ休日であるから、いずれも法定休日となりうることができ、
どちらか一方が休みであれば労働基準法35条違反は生じず、したがって、
労働基準法37条の休日割増賃金の問題は生じない」(東京地判、平25.7.23) としています。

なお、土曜日または日曜日のいずれかのみ出勤し、その週の労働時間が週40時間を超える場合には
法定外労働時間として2割5分以上の割増賃金を支払います。
ご相談の内容では日曜日を法定休日として特定していないので、土曜日が休みであれば、
法定休日は確保していることになります。 日曜日の出勤3時間分は2割5分以上でも差し支えありません。

ところで、休日とは暦日24時間(0時~24時)をいいます。
たとえ、3時間でも休日労働させた場合にはその日は休日とはならないため、
割増賃金を支払うことで、必ずしも代わりの休日(代休)を与える義務はありません。


代休は、事前の振替休日とは異なり、休日労働自体は成立しています。
よって、後日1日の代休を与えたとしても、原則として法定外休日労働で週40時間を超える部分には2割5分以上、
法定休日労働については3割5分以上の割増分の賃金の支払い義務は残ります。

今月の ポイント
法定休日を特定していない土日の週休2日制の場合、週の起算日が日曜日で土曜日が休みなら、
法定休日は確保しているので日曜日の休日出勤に割増賃金を支払う必要も、代休を与える義務もない。

ただし、法定労働時間を超える場合は割増賃金を支払う。


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