コラム

緊急事態発生時に事業を継続するための備え

自然災害や感染症の蔓延、サイバー攻撃などの脅威は企業活動に大きな影響を与えます。
こうした緊急事態に備えて「事業継続計画」(BCP)の策定が求められていますが、企業はどう対応しているのでしょうか。
帝国データバンクの調査を見ていきます。

気象庁はホームページ等で、1日の降水量が300ミリ以上の強い雨の頻度が、
1980年頃と比較して2倍程度に増加していると発表しています。
また、2022年1月現在で南海トラフ地震の今後30年以内の発生確率は70~80%、今後40年では90%程度と試算しています。

さらに、総務省の「令和5年版情報通信白書」を見ると、
2022年に観測されたサイバー攻撃関連通信数が5年前(2017年)の3.4倍に増加していることがわかります。

企業にはこうした自然災害やシステム障害に対する危機管理が強く求められ、政府は緊急事態下で事業を継続
または早期復旧させるための「事業継続計画」 (BCP)の策定を推進しています(介護事業所は2024年4月より義務化)。



策定意向ありは半数以下

しかし、帝国データバンクの「事業継続計画(BCP) に対する企業の意識調査(2023年)」によると、「策定している」企業の割合は18.4%。
これに「現在、策定中」 (7.5%)、「策定を検討している」 (22.7%) を合計した、
BCPについて「策定意向あり」とする企業も48.6%にとどまっています。

同調査では、「策定意向あり」と する企業が事業の継続が困難になると想定しているリスクについても尋ねています (複数回答)。
最も多かったのは地震や風水害、噴火などの「自然災害」で71.8%でした。
次いで「設備の故障」が41.6%となっています。

昨年の同調査で はインフルエンザ等の 「感染症」が53.5%と半数を超えていましたが、
新型コロナの5類感染症移行にともない、今年は40.4%と13.1ポイント減少しました。

策定していない企業も4割強

「策定意向あり」とする企業が、事業が中断するリスクに備えて実施あるいは検討している内容は図表の通り。
「大企業」 「中小企業」 ともに従業員の安否確認や情報システムの管理などの備えを重視していますが、
「調達先・仕入先の分散」や「代替生産先・仕入先・業務委託先・ 販売場所の確保」といった
サプライチェーンに関する備えは「大企業」より「中小企業」のほうが強化する傾向にあるようです。

一方、BCPを「策定していない」 企業 (43.0%) の理由で最も多かったのは、
「策定に必要なスキル・ノウ ハウがない」 (42.0%)でした(複数回 答、以下同)。次いで「策定する人 材を確保できない」 (30.8%)、 「策定 する時間を確保できない」 (26.8%) が続いています。 BCPの策定は事
業継続だけでなく企業価値の向上 にもつながります。 内閣府など各
省庁が事業継続計画策定のガイド
ライン等を出しているので参考に
するとよいかもしれません。



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