コラム

半数以上の企業が、 正社員が不足していると回答

コロナ禍で収縮した経済活動が回復に向かうなか、懸念されているのが人材不足の加速です。
人材不足は企業に「既存事業の運営への支障」や「技術・ノウハウの伝承の困難化」などの悪影響を及ぼします。
帝国データバンクの調査から人手不足の現状を見ていきます。



帝国データバンクでは2006年5月より、雇用の過不足状況に関す る調査を毎月実施しています。
今回取り上げるのは2023年4月に実 施されたもの。同月28日に政府の新型コロナウイルスの水際対策が終了し、
5月8日には感染症法上の分類が5類感染症に移行されるなど、コロナ禍が収束に向かうなかで行われた調査結果です。

まず、従業員の過不足状況について尋ねたところ、51.4%の企業が、正社員が「不足」していると答えました。
例年4月は、新入社員の入社などの理由から不足していると感じる企業の割合が低下する傾向がありますが、
前年同月比で5.5ポイント増加し、4月では過去最高の数値となりました。

また、非正社員の「不足」も30.7%と、4 月としては4年ぶりに3割超の水準まで上昇しています。

旅館・ホテルが業種別トップ

人手不足の割合を業種別で見ると、正社員においては「旅館・ホテル」が75.5%で最も高い結果となりました(図表参照)。



月次ベースでは6ヵ月連続で業種別トップ。観光需要が回復し、訪日外国人も増加するなかで深刻な人手不足が続いているといえます。
次に多かったのが「情報サービス」で、人手不足の割合は74.2%。矢野経済研究所の「国内企業のIT投資に関する調査 (2022年)」
によると国内民間企業のIT市場規模は今後も増加すると予測されており、技術者の人材不足は大きな課題となっています。

「メンテナンス・警備・検査」(67.6%)は9ヵ月連続、「建設」(65.3%) は12カ月連続で6割を超える結果に。
また、2024年4月からドライバーの時間外労働の上限規制が設けられることで、さらなる人材不足が懸念される「運輸・倉庫」も、63.1%と高い数値となっています。

非正社員の人手不足も深刻

一方、非正社員における業種別の人手不足の割合は「飲食店」が最も高く、85.2%と唯一8割を超えました。

調査報告書では、飲食店はパート・アルバイトなどを含む非正社員が就業者全体の7割以上を占めている特徴があるとしたうえで、
就業者数がコロナ禍前の状況にまで回復していない状態が続いている、と述べています。

正社員で業種別トップだった「旅館・ホ テル」は非正社員でも「飲食店」に次いで高く、78.0%。
その下に「飲食料品小売」(58.7%) が続き、特に小売り・サービス業での人手不足が目立っています。

今回の調査で、コロナ禍を脱して景気が回復に向かいつつあるなか、企業の人手不足感は高止まりの状態にあることがわかりました。
今後、少子高齢化によって生産年齢人口はさらに減少します。調査では、そのような現状で企業が事業を発展させるためには、
外国人労働者の雇用やDXなどによる合理化投資が必要だと結んでいます。


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