コラム

若い代表者ほど逆境でも多様な取り組みに挑戦

中小企業庁が2017年に行った試算では、団塊の世代が75歳以上になる2025年までに約127万社の企業が後継者未定となり、
放置すれば廃業が急増すると言われてきました。
その“2025年問題”が迫るなかで行われた日本商工会議所の調査から、事業承継の現状を見ていきます。



日本商工会議所の「事業承継に関する実態アンケート」(2024年3月)によると、
中小企業の経営者は60代以降に後継者を決める傾向にあり、
現代表者の年齢が60歳以上の企業で「既に後継者を決めている」と回答した企業は51.2%。

「後継者候「補はいる」を含めると75.1%の企業が後継者となる人材を確保していることがわかりました。
一方、後継者不在企業は22.3%で、その内訳は「後継者を決めていないが事業継続したい」が15.9%、
「自分の代で廃業する予定」が4.1%、「M&A等で会社を譲渡する予定」が2.3%となっています。

8割以上が親族内承継

現代表者と後継者(候補含む)との関係については、親族内承継が83.4%で親族外承継が19.2%(「役員・従業員」が18.1%、「社外から登用」が1.1%)でした。
また、「既に後継者を決めている」企業に事業承継を意識してから後継者の承諾を得るまでに要した期間を尋ねたところ、66.5%の企業が「1年以上」と回答しました。

後継者の承諾を得てから事業承継 (代表権・株式の承継)完了までに必要な期間については、54.2%の企業が「3年以上」かかると答えており、
日本商工会議所は「後継者の人材育成や社内外の関係構築、株式移転に向けた資金確保(株式買取や納税)等には相当の時間が必要」だと述べています。

事業承継は成長の機会

同アンケートでは、コロナ禍や原材料費・エネルギーコストの増大、
労務費の上昇などの昨今の事業環境の変化が事業承継に与える影響についても調査しています。

それによると、売上が減少している企業ほど事業承継時期の後ろ倒しや、
廃業など事業承継自体を断 念せざるを得なくなる傾向にあるようです。

また、コロナ禍以降の新たな取り組み状況については、若い世代の代表者の方が成長に向けて多様な取り組みに挑戦している様子がうかがえます(図表参照)。
中小企業庁の「事業承継ガイドライン」では、経営者の交代があった中小企業の方が交代のなかった中小企業よりも売上高や利益の成長率が高いと報告。
それも事業承継時の年齢が若いほど成長率が高い傾向にあるといいます。

逆境において新しい取り組みに積極的な姿勢がこうした結果を生み出しているのかもしれません。



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